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自民党は変わらねば
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090625/plc0906252058010-n1.htm

 「さて、多くの国民の皆様が日本の政治に不満を持っています。国民の期待に政治が応えていないからだと存じます。私はこのことについて真剣に反省しなければならないと考えております。国民の政治への信頼を回復するためには、魔法も即効薬もありません。国民の不満と要求に対し一つ一つに応え、信頼を回復するしかありません」

 「みなさん、しばしば、政治を変えなければならないとおっしゃいます。その通りです。しかしこのような言葉をもてあそんでも、むなしさだけが残りませんか。具体的に何をしたいのか。どのような目標を立て、どのような道筋で実現するのか。それを明らかにしない限り、政治への不信は戻らないと存じます。そして、政権与党はそれを実行し実現しなければなりません。その責任がある。もちろん財源を考えないバラマキや相互に矛盾した政策の羅列は許されません。もはや許されないと存じます。財源もなしにサービスだけを約束する。そのような無責任なことは政権与党は許されないんです

「私が政権を預からせていただいてから9カ月。賢明な皆様方が、われわれが政策と政治のあり方を今大きく変えつつあることにお気づきの方もおられると存じます。まず私は単純な小さな政府至上主義から決別させていただきました。この9カ月間の間に、かつてない規模の経済対策を取りました。今年度予算の規模は補正を入れますと100兆円を超えました。市場機能だけではうまくいかない場面のあることが、今回の金融経済危機の教訓です。その場合に、政府が前面に出ることを私は躊躇(ちゅうちょ)しません。しかしそれは、決して単なる大きな政府を目指すものではありません。国民の期待に応えるためには政府の守備範囲は広がります。例えば、安心できる社会保障は金融機関の規制監督などです。しかし、政策を実施するときには、なるべく民間の力を借りて、政府は小さい方がよいのです。私は大きな政府か小さな政府かといった単純な選択ではなく、機能する政府、そして簡素にして国民に温かい政府というものを目指します」

 「また、これまでの生産者重視の政策から生活者重視の政策へと大きく舵を切りました。経済対策では暮らしを守ることに重点を置きました。かつての経済対策では公共事業は約50%、半分くらいは締めていたと記憶します。それに対して21年度の補正予算では公共事業の比率は2割に満たないと存じます。16%ぐらい。消費者庁が9月から発足されます。明治以来、日本の行政は生産者支援を中心としてやってきたんです。消費者庁はその発想を逆転させるものでもあります」

 「今の政治に求められているもう一つのもの。それは責任だと思います。私は昨年10月30日の記者会見で、経済対策の発表と合わせて、国民の皆様に消費税の引き上げの必要性を訴えました。誰だって増税は嫌なことです。しかし、毎年1兆円規模でふくれあがる社会保障費。少子高齢化の結果ですが、この社会保障費をまかなうために増税は避けては通れないと存じます。これを放置するということは、子供や孫の世代に借金を残すということです。国民に対しても耳の痛いこともいう。それが政治家の責任だと存じます。このため、中期プログラムにおいて3年後、経済状況の好転を前提に税制の抜本改革を行うことを明らかにした。そして法律にも書き込みました。この増税分はすべて社会保障や少子化対策に使い、国民の皆様に還元します」

 「もちろん負担をお願いするにあたっては、不断の行政改革と無駄の徹底的な排除が大前提です。私と自由民主党は困難から逃げません。国民の皆様に目指すべき社会のビジョンというものをお示しし、具体的に実行してまいります。行政の無駄を徹底的に削減し、公務員の天下りあっせんは止めます。必要なら増税もお願いします

 「今日のお話の最後になりますが、次のことを申し上げたいと存じます。自民党は変わります。変わらねばなりません。私は日本の政治を変えなければならないと思っております。私は国民が日本の政治に不満を持っていること、それを認めなければならないと申し上げました。そして政府・自民党は、その責任から逃れられないことも認めます。自由民主党は長年にわたって日本の政治を担ってきたんです。成功への貢献とともに、失敗に対する責任も認めなければならんと思います。私たち自由民主党は常に満点だったなどというつもりはまったくありません。しかし問題が指摘されるたびに、自由民主党という政党は自らを改革し、課題を克服してきたのが歴史だと思います

 「今、さらに大きな変革、改革が求められております。自由民主党は変わります。そして私は日本の政治を変えます。日本を守るために変える。それが日本を再び強く、明るい国に変えるためであります。次なる発展に、私、麻生太郎、われわれ自由民主党は責任を持たねばならない。責任を持つ。国民の暮らしを守るのが自民党。日本を守る自民党。それを最後に申し上げて講演を終わらさせていただきます。長時間のご静聴ありがとうございました」

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